はじめて考える人向けの、いまさらながらのインターネットメディアの変遷

映画、マスメディアの影響もあってか、なんだか突発的に盛り上がってる facebook(フェースブック) ですが、これはちょっときています。そこで、自分なりに考察踏まえ、過去から今に至るまでの自分の中の整理も含め、書いてみようかと思っています。

我々はかなり初期段階からWEBを中核においた事業戦略やプロモーション(コミュニケーション)プランの立案および制作という仕事をさせて頂いてきました。

90年代後半当時、新しいメディアとして出現したインターネット(WEB)を活用した場合と、従来のメディアの違いとして、良くクライアントに理解を得るために以下のような表現を行っていました。

新聞・テレビ・ラジオのようなマスメディアとインターネットを新しいメディアとして捉え、ウェブサイトを活用したマーケティングで成果を上げるために考える上で重要な事は、

いかにマスメディアに対し『受動的』に情報を得ているモードの消費者を『能動的』にさせるか?

そうクライアントに対して、従来のメディアとの違い、特性の理解を徹底してもらうことに必死でした。苦笑

例として、わかりやすくテレビで例えてみましょう。

  • あなたは今、好きなテレビ番組を観ています。15分位したらCMが入り引き続きそれを観ている。無意識に流れてくる映像(CM)を観ている。この状態こそが受動的という状況です。乱暴に言えば、意識や期待をしていないのにも関わらず、たまたま見たい番組を見ていたために、たまたまそのCMを見ることになりましたが、その情報に何かしら興味を持ちピンときたら頭にメモリーし、人によっては詳しく知ろうとする。=認知テレビを観ない人は少ないのは既知の事実であり、やはりテレビは大勢の人に対して一気に周知、『認知』を促す事を目的とした場合、コストを考えなければ、効果的なメディアなのは間違いありませんね。対して、インターネット(ウェブサイト)を活用する場合、消費者に能動的な行動をしてもらわないと何も始まらないため、ウェブサイトに消費者を引き込むための導線が必要であり、店舗と一緒でサイトへの流入(集客)施策が絶対に必要となります。

従来メディア(テレビ、新聞、ラジオといったマスメディア)とインターネットの決定的な違いはここにあります。

「プッシュ・プル型メディア」の時代

としておきましょう。

従来型メディアが「プッシュ型メディア」なのに対し、インターネットは「プル型メディア」であると分類され、インターネット上にある大量の情報ストックを必要に応じて情報を取りに行く(=プル)、そして得た情報に価値があれば、消費者がそれを「共有」(クチコミ)し伝播していく。

そんなメディアとされていました。しかし、それはストック情報を当時はメール(メルマガ)やブログといった機能で共有するのであってリアルタイムに共有が進んでいくわけではありませんでした。

そしてWeb2.0の時代へ

『ググる』という言葉が広まり、GoogleやYahooなど検索エンジンが情報ネットワークの基盤として定着し、消費者のリテラーシーが高まり、消費者が何かしらの情報を取得するために、自ら能動的に行動することが(ある程度)当たり前な時代になりました。

ホームページ制作会社の誰もが、
消費者行動フローの従来主流であったAIDMA理論

「Attention」(注意)、「Interest」(関心)、「Desire」(欲求)、「Memory」(記憶)、「Action」(行動)

から、ネットでは、購買に際して吟味したり考量したりするための「記憶」の機会が少ないため、代わって「検索」と「情報共有」とが購入決定の要因として重要視されるAISAS理論

「注意」「興味」「検索」「購買」「情報共有」

を語り、最適化されたプロモーション施策やコンテンツ制作を行ってきました。

それが、最近のTwitterやFacebookというようなソーシャルメディアの台頭で変化が起きています。ソーシャルメディア、『人と人のネットワーク』がインターネットの世界でも情報ネットワークとして機能しだした時代になってきました。

従来からのクチコミマーケティング(と言われていたもの)との大きな違いは、その伝播力の強さと言えます。

なぜ、伝播力が強いのか?

それは従来のクチコミマーケティングの多くは代理店やウェブ制作会社が、インフルエンサー(大きな影響力を持つ人)に語らせているだけに過ぎなく、消費者側から見れば、企業と消費者という上下の関係性は維持されたものでしかなく、いわゆる企業主導の『仕込み』でしかなかったからです。
(※『企業が有名ブロガーに提灯記事を書かせていたことでブログ炎上』なんてニュースもありましたよね。もちろん、その企業のイメージは失墜してしまいました。)
あくまでも従来の媒体を人に置き換えて『1対n』での媒体効果を狙っただけの施策でしかなかったのです。

=インフルエンサーマーケティング(=認知広告)

ソーシャルメディアの強みは、有名、無名関係なく、フラットな人間同士の「つながり」が増強され、情報の流通が活性化され、その流通経路がどんどん成長していっているということです。
従来の情報を「プル」、つまり「引き出され」た情報が共有されるのではなく、その信頼関係が醸成された状態で「プッシュ」ないしは「パス」されて友人・知人から届く。故に『1対n』ではなく『コミュニティnの中から横へどんどん伝播され拡散』していくメディアということなのです。

「消費者が情報をコントロールする「プッシュ・パス型メディア」時代の到来」

なのです。

しかし、それは技術や環境の外的要因の変化であり、企業のマーケティング活動の手段手法が増えただけにすぎず、本質的な消費者の行動やマインドを考察することをきちんとすることからはじめないといけない。ということを断言しておきたいと思います。
先ほどのインフルエンサーマーケティングとの違いをきちんと認識し、拡散していくための手段をきちんと企画することで、有名、無名関係なく、『機能がよく適正な価格』であれば、きちんとリーチを確保し、本来のあるべきクチコミマーケティングを実践していけば必ず売れる。そういう時代が来たということです。

ここをきちんと理解しないと当然効果は得られないのです。

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