消費者が「売り込みを受ける」文化から「ウェブを使って自分で見つけ出す」文化へと移行している

時代はインバウンドマーケティング時代

現在のインターネットでは、競合がどんどん入ってきて、いつの間にか似たような商品だらけです。当然、広告費は高騰し、価格競争にさらされ、特に「集客」をポータルサイトに委ねている場合、その加盟料や販売手数料でペイしなくなってきています。その結果、インターネットの世界も体力のある会社だけが生き残るサバイバルゲーム化しています。

インバウンド・マーケティングということ

>インバウンドマーケティングとは広告出稿などに頼るのではなく、興味のある消費者は自ら検索をしたりソーシャルメディアで聞いたりして調べてくれるということを信じ、消費者自身に「見つけてもらう」ことを目的としたマーケティング施策。

定義は様々あるのですが、概して「顧客から見つけられること」「顧客を引きつけること」が主軸でしょう。

広告を用いて企業が消費者に向けてメッセージを発信するのではなく、消費者が企業について語ることが検索、共有されることで、他の消費者の行動を決定づけている。

サイトを訪れてくれた人々を顧客化するまでの育成プロセスも含めて「見つけられる」ことからはじまる一連のマーケティング活動を「インバウンドマーケティング」と呼ぶようになっています。

消費者の行動の変化

  1. 高度経済成長期に代表される大量生産、大量消費の時代
  2. 売る側の立場は強く、「次に必要なものはこれですよ」と発信すれば売ることができた。買う側には、情報もなければ、選択の余地もなかった時代。

  3. インターネット聡明期〜Web2.0の時代
  4. 広告やダイレクトメールなどを使って、商品やサービスを人の集まるところに出す「アウトバウンド」なアプローチで囲い込みの時代。

  5. 売る側にとっての情報発信手段/コミュニケーション媒体の増大、ソーシャルメディアの時代
  6. ソーシャルネットワークのようなコミュニティを楽しむほどネットが一般化し、同時にデバイスにも慣れた消費者を、検索エンジンやソーシャルメディアを通じて引き寄せる「インバウンド」なアプローチを取るマーケティング時代。

従来のマスマーケティング、ダイレクトメール、コールドコールなどの「アウトバウンドマーケティング」と対比された考えでもあり、情報過多時代におけるマーケティングコンセプトとして注目されています。
検索エンジンが普及した現在では、消費者は何か気になることがあると検索し、調べることが日常化。職場で仕事をしている時、電車の中で移動中、街で見かけた気になること、家で雑誌を見ているとき・・・。検索を通じて必要な情報を得ようとしています。
そして、商品やサービスを購入した際には、その感想(賛否ともに)をソーシャルメディアで発信。これまで以上に消費者の評価が重要になるとともに、そうしたオンライン上のコメント(クチコミ)が認知や来訪の導線となります。

ただし、時には検索結果の中に望ましい(消費者に有益)情報を発見できないこともまだまだあります。インバウンドマーケティングでは、有益な情報をネット上で提供するところから始まります。
そして、それらの情報を検索やソーシャルメディアを通じて人々に見つけ出してもらい、必要な情報を提供してくれるプロだとして期待と信用を獲得することで、その先のビジネスにつなげていく・・・そのような考え方でマーケティング活動を実施していきます。

  1. SEOなど従来の検索エンジン対策を行なうとともに、SMO(ソーシャルメディアオプティマイゼーション)などの施策を通じて、消費者に見つけてもらいやすくする環境を整える必要がある。
  2. 具体的にはそこでしか読めない(見れない)コンテンツの公開などが挙げられる。コンテンツマーケティング

しかし、多くの企業にとってインバウンドで獲得したリードが、必ずしも有効な商談につながるわけではありません。

1. インバウンドマーケティングで獲得したリードが直ぐに有望な見込み顧客になるわけではない

WEBサイトを訪れたユーザが予算を持っていたり、いますぐに購入を検討しているとは限りません。
インバウンドで獲得したリードでも製品を購入する準備が整っていない限り、こちらからアプローチしてもあまり効果はありません。そのため、マーケティング担当者は製品デモやファクトシート・製品情報を提供して、thought leadership(自らの考えを発信・実践し、牽引していくこと)を発揮していくような長期的なナーチャリング施策を立てる必要があります。
(※)ナーチャリング :見込み顧客に様々な情報を提供し、継続的な関係を構築し、顧客に育成していくプロセス。

長期的な情報発信によってユーザとのつながりが生まれれば、ランディングページやダウンロードコンテンツに訪れてもらえる可能性が高まります。その上で、ランディングページやダウンロードコンテンツに訪れてくれたユーザに対しては、デモに行くタイミングを見極めるためにメールや電話でフォローを行うと効果的なのです。

そのためには、流入を自然検索やソーシャルメディアにシフトするだけではなく、各経路ごとのリード(見込み顧客)を管理し、顧客転換率を計測することで、注力すべき経路や、効果の高いコンテンツを把握し、より効率を高めることも重要であり、顧客へ転換するためにメルマガ発行やステップメールなどの施策が有効と考えられます。

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